勲記の製造について

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受章者がいただかれます勲記(叙勲の内容を明記した証書)ですが、ここではその製造についてご紹介したいと思います。勲記は紙幣、国債などを製造している独立法人国立印刷局で用紙の製造・印刷が行われています。小田原の工場で原材料から精選し、白土という白色粘土を調合して機械にかけて用紙を製造します。この時に菊紋の透かしが入れられます。この透かしの位置などが厳格に検査されて合格したものが東京の工場に送られ勲記、位記、褒章の記等として印刷されます。勲記の中央下部に印刷されている勲章の図柄(模型)モガタは特殊な印刷方法で刷り込まれます。これは移し絵用の転写紙に手作業で一色ずつ印刷し、一色印刷すると一日乾燥させるため色の数だけ日数がかかります。また、実物の勲記で金色の部分は(模型)モガタでは金粉が使用されます。これを勲記に転写します。この転写作業も手作業で行われます。
 頂いてくる勲記の文面の「璽」という字は何と読むのか聞かれることがよくあります。これは「じ」と読み勲記と褒章の記の中央に押されている「国璽」のことを指しています。国璽は1874年(明治7年)に完成した純金製で、それ以前は明治4年に作成された石印の国璽が使用されていました。この石印の印文も現在の国璽と同じ「大日本国璽」でした。この石印より以前は国璽と称されるものは無く、銅製の内印と称する天皇の印と外印と称する太政官の印があったそうです。
 国璽は宮内庁侍従職が専用の皮袋に入れて保管し押す場合は国立印刷局特製の朱肉を使用し、専用の定規を当ててずれないように押印されます。 
 勲記にも大変な歴史と背景があることに驚きと感動を憶えます。
 

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